エリツィン会談(1997年11月)

 この会談は、両国首脳間の信頼醸成を目的として、11月1、2日、ロシア・東シベリアのクラスノヤルスクにおいて、非公式に行われました。
 従来、対ロ外交では政経不可分、次に拡大均衡の原則がとられてきましたが、7月に橋本首相は新対ロ外交3原則すなわち信頼・相互利益・長期的視点を打ち出し、政治・安全保障、経済改革支援、国際問題協力など、多面的な分野で関係改善を図る方針に転換しました。
 この会談の内容は予想以上に実質的で、北方領土問題に関する「東京宣言」を基礎に2000年末までに平和条約を締結するよう全力を尽くすことで合意しました。
 また、総合的な経済協力に関する橋本・エリツィンプランも同年までに実施することで合意しました。
 北方領土交渉は、関係全体を強化する中で領土問題を解決するという新しい局面を迎えました。