教育行政執行方針

はじめに

 別海町教育委員会は、「第7次別海町総合計画」のめざす将来像の実現に向けて、町長部局や関係機関と連携を図り、子どもたちをはじめ全町民が、心豊かに生きがいのある充実した生活が送ることができるように、「生涯を通じて人と文化を育むまちづくり」に向け、「チーム別海」で施策を進めます。
 
 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、令和2年は様々な取組が中止となりました。
 今後についても不透明な状況にはありますが、感染拡大防止に努めながら、町民の多様な学びを保障し、本町全体が「笑顔あふれるまち」となるよう、行動と実践に力点を置き、取組の実現に向けて万全を尽くします。
 

教育行政に臨む基本姿勢

 コロナ禍にあっても、本町全体が「笑顔あふれるまち」となるよう、学校・家庭・地域・行政が一体となり、「チーム力の向上」をベースとした3点について施策を進めます。
 
 1点目は、「みんなで決めて、みんなで行う」取組の推進です。
 現在、全学校区で実施している「コミュニティ・スクール」では、その理念である「地域の子どもは地域が育てる」を実践し、「地域の活性化」につながるよう各学校区の運営協議会と連携を深め、取組を進めます。

 2点目は、「チーム学校 チーム別海で連携協力する」取組の推進です。
 各校が「チーム学校」として機能し、より強い組織力を発揮できるよう連携するとともに、校長会と一層の連携を図ります。
 また、「コミュニティ・スクール」を通じて、保育園・幼稚園・学校・地域が有機的な結びを強め「チーム別海」となるように、教育委員会がコーディネートします。
 
 3点目は、「地域ぐるみで共に支えあい学びを育む」取組の推進です。
 そのために、学校教育では「コミュニティ・スクール」を軸に、社会教育については、生涯学習センター「みなくる」や各公民館等を拠点とした「学び」を育むことができるよう、各関係団体と連携を深め、取組を進めます。
 
 コロナ禍において、この難局を乗り越えるために、この間のことは「使命の道は厳しいほど必ずその後の人生の糧になる」と捉えていただきたいと思います。
 したがって、コロナ対応は決して無駄な労苦ではないと確信しております。
 
 令和3年度もコロナと付き合うこととなりそうですが、この一年の経験に基づいた効果の振り返りは必要です。それを踏まえ、昨年できなかったことを「工夫してでも実施しよう」をベースに、安全に配慮する方針です。

主要施策の推進

1 生涯にわたり学ぶ社会教育の推進

 すべての町民が、生きがいを持って暮らせる社会を実現するために、地域の絆を深め、町民が主体となり活力あるコミュニティづくりを通し、生涯にわたって学ぶことができる環境が大切です。
 生涯学習の拠点となる生涯学習センター「みなくる」は、令和4年度から供用を開始するため、より具体的な施設の運用や事業内容の協議を進めるとともに、「ぷらと」と「マルチメディア館」との3館連携事業の準備を進めます。
 
 町民の生涯にわたる多様な学びにおいては、各地区の学びの拠点である各公民館で、母親の学びの場である「乳幼児母親家庭教育学級(すくすく学級)」、特色ある体験的活動を行う「アドベンチャースクール」をはじめとする青少年スクールや、高齢者の生きがいを高めるための場である「寿大学」などを通して、幅広い世代のニーズに対応できる学習の場を提供します。
 また、町民へよりわかりやすく、身近な情報を提供するとともに、学習成果を生かす機会の充実を図り、人のつながりを大切にした地域コミュニティの形成を推進し、地域の人材を活用した異世代交流事業に取り組みます。
 
 図書館では、地域の読書活動の振興を担うとともに、「ブックスタート事業」の継続、乳幼児のための利用しやすい環境整備を図るなど、利用者のニーズの多様化に対応するよう努めます。
 併せて、学校と連携し「学校図書室」の環境整備を進めるとともに、授業で使用する資料貸出しや「ブックトーク」を実施します。
 さらに、上西春別中学校に設置している「地域開放型図書室」では、学校や地域とより連携し、開館日数を増やすことなどで読書率の向上を図ります。
 
 令和3年度の「べつかい子ども未来議会」は、高校生を対象に実施します。計画の最終年となりますが、本町の将来を担う子どもたちの主権者教育を進め、地域の教育力を高めます。
 これらの社会教育の推進にあたっては、新型コロナウイルス感染症対策を十分講じながら実施していきます。

2 生き抜く力を育む学校教育の充実

 社会の変化が著しく予測困難な時代の中、本町の将来を担う子どもたちの自律的な学びや、「生き抜く力」を高め、笑顔が輝き、笑顔で学ぶ子どもたちを育み、「笑顔あふれるまち べつかい」の未来を築いていくことが重要です。
 本町では「人は家庭で育ち、学校で学び、地域で伸びる」と考えています。
 町内全ての学校区で実施している「コミュニティ・スクール」においては、各学校区の「地域でめざす子ども像」の実現に向け、地域一丸となり、特色を活かした取組の充実を図り、「地域とともにある学校づくり」そして「地域の活性化」へつなげます。
 また、本町の「学校適正配置計画」を基に、コミュニティ・スクールと親和性の高い「小中一貫教育」について各学校区と連携し、協議・検討を行います。
 
 「別海町生きる力アッププロジェクト事業」では、「ふるさと教育」と「学びの土台づくり」に力を入れた事業を展開します。
 「ふるさと教育」については、令和2年度から作業を進めてきた本町独自の社会科副読本が完成したので、授業で活用するとともに、各家庭でも利用できるよう全ての児童生徒及び教職員に配布します。
 また、副読本は、子どもから大人まで興味・関心を持てるよう構成しており、様々な場面で積極的に活用して子どもたちが本町に誇りを持ち、自分の将来について自ら考え行動できる力を育みます。
 
 「学びの土台づくり」においては、書評合戦である「別海型ビブリオバトル」をはじめとした読書活動を推進するとともに、新聞を教育に活用する「NIE」について、引続き「別海町新聞の日」を設け、月に1度、児童生徒の手元に新聞を配布し、子どもたちの読解力向上に取り組みます。
 
 GIGAスクール構想により、本町の小・中学校に「一人1台端末の整備」と「校内通信ネットワーク整備」を行い、また、緊急時に対応するための遠隔学習機能を強化する機器の整備等を完了しました。
 令和3年度は、これらを活用し、各学校の業務の効率化を図るとともに、デジタル化に対応できる高度なスキルを持った人材を育てることはもちろん、人として成長する機会と捉え、誰もがデジタル化の恩恵を受けられる学習の場を構築します。
 また、町内小中学校のうち8校では、国で実施する学びの保障・充実のための学習用デジタル教科書実証事業に参加します。
 
 不登校やいじめ問題の解決に向け、「教育相談」の充実を図るため、学校と連携を深め、昨年度、新たに開設した西地区の「ふれあいるーむ」サテライトをはじめ、スクールカウンセラー、「ふれあいるーむ」指導員、スクールソーシャルワーカーの積極的な活用を行います。
 特別支援教育の充実においては、令和3年度から西地区へ「通級指導教室」を設置し、年々増加傾向にある通常学級で配慮が必要な児童生徒への対応を進めるとともに、新たな地区への設置について、調査研究に取り組みます。
 
 防災教育については、日常の人と人の強いつながりが、災害に強い地域を創る「結果防災」の視点を持ち、「つながり」を大切にした各学校区の取組を支援していきます。
 
 学校教育の推進においては、学校現場と教育委員会が連携し、信頼を高めて距離感を縮めることが、学校力の向上につながり、さらに教師の力を育てることが、子どもたちの学力向上につながります。
 引続き、若手教員や期限付教員の教師力向上に向けて、校長会、教頭会と連携した取組を進めます。
 
 コロナ禍の中、児童生徒の学習意欲を促し、「自律的な学習」に向かう姿勢を育むとともに、保護者の負担軽減のため、多くの児童生徒が受検する「漢字検定」、「英語検定」、「算数・数学検定」について、引続き、希望する児童生徒へ受検料を助成します。
 
 学校給食センターでは、子どもたちが将来を通じて、健全な食生活を実践できるための「食育」を、各学校と連携し進めていくとともに、食材の地産地消等にも努めながら、安全な学校給食の提供を行います。
 また、食物アレルギーを有する児童生徒の状況について、他の児童生徒からも理解が得られるよう、食物アレルギーに関する内容の指導を行います。
 
 子どもたちへの効果的な教育活動を行うために推進している「学校における働き方改革」は、学校閉庁日の拡充、部活動休養日の完全実施、在校等時間計測などの取組を継続して実施するほか、実効性のある新たな取組を検討・実施します。
 
 地域を担う若者の育成においては、別海高等学校の普通科3間口の確保及び酪農経営科生徒の増員を図るため、寄宿施設利用者への助成をはじめとした各種支援事業を引続き実施します。

3 郷土愛と社会性を育む青少年の健全育成

 本町の次世代の担い手となる、青少年の「夢の実現」と「目標の達成」を支え、豊かな社会性とふるさと「べつかい」への郷土愛を育むため、町ぐるみで施策を推進します。
 
 ふるさと教育においては、学校等と連携し、スポーツ・文化活動や「加賀家文書館」をはじめとした社会教育施設や、新たに作成した社会科副読本を活用し、郷土愛を育む教育の充実を図ります。
 
 健全育成と生活習慣の改善においては、引続き町独自の「メディアコントロールシート」を活用し、子どもが主体的にメディアとの付き合い方を考える機会を通して、青少年の豊かな社会性と情報モラルの育成を図ります。
 また、地域の特性や人材を活用した青少年スクール事業を通じて、青少年団体の育成と連携の強化を図ります。
 なお、青少年の体験・交流により、生きる力と社会性を養うための「少年少女ふれあいの翼交流事業」は、令和2年度、中止となりましたが、子どもたちにとって、見聞を広げ、社会性を養う大切な場となっていますので、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら、取組を進めます。

4 地域に根ざし個性あふれる地域文化の振興

 地域の芸術文化の振興においては、別海町文化連盟をはじめとした各団体への支援により、地域の芸術・文化の振興を図るとともに、貴重な文化財や本町の歴史を学び、理解を深める機会の充実を図ることで、郷土愛の育成に努めます。
 
 史跡旧奥行臼駅逓所をはじめとする奥行地区文化財は、道内外から多くの方々が見学に訪れており、引続き情報発信を行うとともに、「奥行臼散策デー」を開催するなど、地域の文化財を学ぶ機会の拡充に努めます。
 また、3つの異なる交通遺産が集中する奥行地区を総合的に整備し、歴史観光スポットとして活用するため、仮称奥行臼史跡公園の整備基本構想を策定します。
 
 北海道天然記念物である「西別湿原ヤチカンバ群落地」については、専門家による「保護対策検討委員会」での協議を継続し、保護対策と管理に努めるとともに、国の天然記念物指定に向けた調査を進めます。
 また、日本遺産「鮭の聖地」のストーリーについては、本町に関わる構成文化財も多いことから、知名度を高めて観光客の増加につながるよう、積極的なプロモーション活動を行います。
 
 郷土資料館は、施設の老朽化が喫緊の課題となっており、引続き整備方針を検討するとともに、町の歴史、文化や自然に関わる資料の収集、整理保管、調査研究を進め、展示物の充実に努めます。

5 活力に満ちた地域をつくるスポーツの振興

 すべての町民が、生涯を通じてスポーツを楽しみ、健康づくりができる「町民皆スポーツ」の実現をめざします。
 そのために、スポーツ協会等と連携をし、地域の特性やスポーツ施設を有効活用した、いつでも、だれでも気軽にできる、スポーツの普及を図ります。
 また、スポーツの普及を通し、人と地域のつながりを深めた活力ある地域づくりを推進するほか、障がいのある人も気軽にスポーツ活動に参加できるよう関係団体と連携し、パラスポーツを通して健常者との交流機会を検討します。
 さらに、スピードスケートを中心に国内外で活躍する本町出身のスポーツ選手全体を応援する後援会を新たに設立するとともに、少年団等の指導者の育成と支援を行うことで、スポーツの振興とスポーツによる町づくりを進めます。
 なお、令和2年度の「第42回別海町パイロットマラソン」は、新型コロナウイルス感染症拡大により中止としましたが、今後もスポーツ交流による人づくりと町づくりのため、令和3年10月3日の開催に向け、多くのランナーの参加が得られるよう準備を進めます。

むすび

 教育行政執行方針の実現には、地域・学校・家庭・行政が一体となり、「チーム別海」で取組を進めていくことが必要です。
 
 別海町教育委員会は、地域ぐるみで共に支えあい、町民の学びが育まれ、「笑顔あふれるまち べつかい」となるように、本町の教育振興・発展に取り組みます。