旧開拓使別海缶詰所
別海町歴史文化遺産 第3号

旧開拓使別海缶詰所
- 認定区分 有形文化財
- かな名称 きゅうかいたくしべつかいかんづめしょ
- 認定年月日 平成25年2月4日
- 所在地 別海町本別海1-93、同1-205
この建物は、開拓使が1878(明治11)年 に設置した缶詰所の一部で、本町に残る最古の木造建造物であり、開拓使が設置した缶詰所の中で唯一現存するきわめて貴重な産業遺産です。
別海(現本別海)に設置された缶詰所は、前年の石狩缶詰所設置に次ぐもので、我が国における缶詰の歴史の始まりといえます。アメリカの先進的な缶詰製造技術を日本に導入するため招かれていた「お雇い外国人」トリートらも別海へやってきて、缶詰製造の指導にあたりました。
開拓使は西別産の鮭を「第一等」で「身色紅ヲナス美味最抜秀」であると絶賛していました。この最高の鮭を使えば、外国の缶詰にも負けないおいしい缶詰を作ることができ、当初の目的である物産の拡張と海外への輸出ができると開拓使は考えていたからです。
1887 (明治20)年、官営別海缶詰所は民間に払い下げられ、藤野別海缶詰所として再出発します。海軍からの安定した注文に加え、日清戦争が始まると陸軍からも注文が入るようになり、別海工場は製造能力を3倍にしてこれに対応しました。また、兵士たちが缶詰のよさを郷土で宣伝したために、缶詰の知名度と需要は全国で一気に上がりました。別海以外にも続々と缶詰工場がつくられ、根室地方の主要産業にまで成長することになります。
戦後、缶詰所の建物は一部改築されて別海中学校の校舎となり、現在は別海漁協の倉庫として使われています。
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