厨子入南矢臼別馬頭観世音菩薩坐像

  • 指定区分 有形文化財
  • かな名称 ずしいりみなみやうすべつばとうかんぜおんぼさつざぞう
  • 指定年月日 平成24年4月26日
  • 所在地 上風連38番地4

 この菩薩像は、国後島泊村古丹消の観音堂に安置されていた観音菩薩像33体のうちの1体で、戦後に国後島泊村から引き揚げてきた上風連開禅寺の住職より、昭和23年に南矢臼別町内会が引き取ったものです。

 古丹消には西国三十三所観音霊場に倣って観音堂に33体の菩薩像が安置されていましたが、戦後国後島からの引き揚げの際にそれらの菩薩像は観音堂のそばに埋められたり、縁のある人が持ち帰ったりしました。南矢臼別に残る菩薩像は、持ち帰られた菩薩像のひとつであると考えられます。

 昭和24年5月には地元に御詠歌会が結成され、毎月17日に熱心に活動が行われていました。また菩薩像が引き取られて以来現在に至るまで、毎年6月15日に馬頭観世音祭が僧侶を招いて催され、この日だけ菩薩像が公開されることになっています。(現在は農繁期を避けて5月31日に行うことになっています。)

 このように、この菩薩像は南矢臼別地区の地域史だけではなく、国後島の歴史をも物語る貴重な歴史遺産であるとともに、御詠歌会が活動していたことや、毎年地元で馬頭観音祭が行われているなど、地元の人たちの習俗文化とも結びついている点も高く評価されています。

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