別海前浜の魚たち

別海前浜の魚

別海前浜で漁獲される魚たちを紹介します。

ホタテ(学名)ホタテガイ(カキ目イタヤガイ科)

ホタテ(学名)ホタテガイ(カキ目イタヤガイ科)

  • この地域のホタテ漁は地まき漁業と呼ばれており、決められた区画に種苗を放流し、成長したところを八尺と呼ばれる漁具を曳いて漁獲されます。
  • また、この海域で取られるホタテの貝柱は非常に大きくてグリコーゲン及びタウリン等が多く、とても美味で日本一旨いと自慢できます。

「まめ知識」
  • ホタテの雌雄の見分け方は、外側の殻を外すとピンク色をしているのが雌の卵巣で、乳白色をしているのが雄の精巣です。新鮮なものは刺身でも食べられます。また、最近ではお惣菜の材料としても使われています。
  • ホタテは殻を勢いよく閉めて海水を吐き出すことで、短い距離ですが泳ぐことができます。これによりヒトデなどの外敵から逃げることができると言われています。

アキアジ(学名)サケ(シロザケ)(サケ目サケ科)

アキアジ(学名)サケ(シロザケ)(サケ目サケ科)

  • 別海町を代表する主要魚種で、そ上河川としては当幌川・床丹川・風蓮川・西別川の4河川があり、中でも西別川は世界有数の透明度を誇る摩周湖の伏流水を水源としています。その「西別鮭」は長く徳川幕府の「献上鮭」として古い時代から有名です。
  • 近年のサケ・マスふ化放流事業の傾向として、河川内で他の大型魚に相当数捕食されることから、風蓮湖内の餌の多い場所で2次飼育を行い回帰率の向上を図っています。
  • また、環境保全のため、平成7年より漁協女性部が中心となり取り組んでいる「魚を育む森づくり」運動では、河川流域周辺への植樹を実施しており、青年部も河川環境調査を続けています。

「まめ知識」
  • サケが自分の生まれた川に戻ってくるのは、幼魚時に自分の生まれた川の特性を覚えているからです。北洋海域を大きく行動し成魚として日本の沿岸に達し、ふるさとの川の近くに帰ってきたサケは、自分が生まれた川水の臭いを鼻で敏感に嗅ぎ分けてそ上します。
  • イクラと筋子はどちらも同じサケの卵ですが、イクラはサケの腹子の薄皮と筋をとり除き、ひと粒ずつバラして塩水漬けしたもの、筋子は薄皮をとらずにひと腹ずつ塩漬けしオモシをかけて余計な水分を排出したものです。

ホッカイシマエビ(学名)ホッカイエビ(十脚目タラバエビ科)

ホッカイシマエビ(学名)ホッカイエビ(十脚目タラバエビ科)

  • 別海町のエビ漁業の特色である「打瀬網漁業」は、エンジンを使わず船に三角帆を立て風の力を利用して網を曳く漁業であり、新聞やテレビ、雑誌等で皆さんがご存じのこの地方ならではの風物詩であり、その漁獲風景は「別海十景」のひとつとされています。

「まめ知識」
  • ホッカイシマエビは、雌雄同体で生まれ、満1歳を過ぎたところで性転換を行い、1歳半でオスになります。2歳を過ぎたところで再度性転換を行い、2歳半でメスになります。
  • エビをゆでると赤くなるのは、加熱により色素タンパク質が変性し、カロチノイド系のアスタキサンチンという赤い色素が遊離するためです。

ホッキ(学名)ウバガイ(マルスダレガイ目バカガイ科)

ホッキ(学名)ウバガイ(マルスダレガイ目バカガイ科)

  • ホッキガイは、水深3から10メートルの浅い砂地の沿岸域で漁獲されます。6月からは産卵期のため禁漁として資源保護を行っています。
  • また、ホッキガイは刺身・寿司ネタとして高級品とされていますが、近年価格の低迷が続いており、その原因の一つは外国産ホッキ(主にカナダ産)の輸入量の増加によるものだと言われています。

「まめ知識」
  • この地域のホッキ漁は「噴流式けた網」と言う漁具で漁獲されています。この漁具は船上からホースで高水圧の海水を送り、海底を撹拌しながら貝を効率良く漁獲する画期的なものとなっています。

ニシン(学名)ニシン(ニシン目ニシン科)

ニシン(学名)ニシン(ニシン目ニシン科)

  • 別海町で漁獲されるニシンの多くが湖沼性の風蓮湖産ニシンであり、低い塩分の汽水域を持つ湖を好み藻場で産卵し、寿命は5~8年と短いものの成長が早く、成熟年齢は2~3歳であり、回帰性が強いという特徴があります。
  • また、風蓮湖産ニシンは湖沼性ニシンの中では日本でも有数の資源量を誇っています。

「まめ知識」
  • 将来に渡って安定した漁獲量を維持するために、走古丹のニシン種苗生産センターにて人工ふ化を行っています。
  • 放流したニシンがどれくらい漁獲されているのかを調査するために、昔は「タッグ」という外部標識を魚体に付けて放流していましたが、近年では、卵が成長し眼が見え始めた段階でALC(アリザリンコンプレキソン)という溶液により耳石(じせき)を染色し、放流しています。
  • ※ALCは歯科医療などでも使われている無害なもので、これが魚の頭部にある耳石のカルシウムに沈着し標識となります。

コマイ(学名)コマイ (タラ目タラ科)

コマイ(学名)コマイ (タラ目タラ科)

  • 漁期は12月から1月で、1月下旬に盛漁期を向かえます。
  • 主要産卵場は風蓮湖及び野付半島周辺海域で、主に底建網漁業で漁獲されていますが、風蓮湖及び野付湾内では、12月下旬から2月の間、海面が凍りつくため、その結氷下に網を仕掛ける「氷下待ち網漁」も他の地域ではない特色のひとつです。

「まめ知識」
  • ルイベ(刺身)頭と腹部を取り除き凍らせたものを、皮をはがし三枚におろし刺身で半解凍状態のものを食べます。
  • また、醤油にカレー粉を入れルイベに付けて食べる人もいます。さらに、煮付けも美味です。