すくすく学級 「ぷち」中学生もいっしょに!!(特別企画)

 平成30年7月6日(木曜日)、今年度の特別企画第1弾“ぷち”を「みんなであそぼう!」と題して行いました。

 前日から公民館で職場体験を行っていた中学生M君にも、すくすく学級運営体験として協力してもらいました。
 その様子もあわせてお伝えします。

 会場一番乗りの親子は、お父さんと一緒でした。
 お母さんが妊婦健診のため、休みをとって子どものお世話をかって出たそうです。
その日がたまたますくすくの日だったので、お母さんの代わりに参加してくださったという訳です。
 M君にとっても、男性が一人いるだけで、随分と心強かったことでしょう。
 さて、乳幼児とふれあうってどんな感じかな?
 M君、両手にパペットを持って、そ~っと近づいてみます。

 お互い初対面。
 しかも日常的に出会う機会のない世代同士。
 中学生のおにいさんが、自分にとってどんな存在なのか、じーっと様子をみて確認しているかのようです。

 M君、何とか距離を縮めようと、口をパクパクさせて近づいたりしてみますが、なかなか思うような反応が返ってきません。
 お父さんも、何とかしようと声をかけてくれています。
 麗しいですね。
 このお互いの努力。
 次の手段。
 M君、プールの中の木の玉をパペットの口を開けて「あむっ」と食べさせました。
 お父さんも、「はい、どうぞ」と、木の玉を口の中に入れるマネをして促します。
 何回も繰り返すうちに、とうとう、うさぎさんのパペットの口に、木の玉を入れてくれました。
 うれしい瞬間ですね。
 
 こちらにも、おにいさんの存在が気になりつつもどうしたらいいのかわからない子が……(笑)。
 ここでもM君、ひとふんばり。
 お母さんの声かけもあり、2人の距離がすっかり縮まりました。
 この後、何度も、
 「どうぞ」「どうも」
 のやり取りが繰り返されます(笑)。
 今回、西公民館学級に所属する親子も遊びに来てくれました。
 車で30分以上かけて駆けつけてくださるその気持ちがうれしいですね。
 さて、時間になりました。
 あいさつからスタートです。
 まずは、いつもの「おもちゃのチャチャチャ」から。
 次は、「いないいないバババァ」。
 曲に入る前に、子ども達一人ひとりに大きな手で「いないいいないバァ」をやってもらいました。
 打ち合わせになかったことなのですが、M君、快く引き受けてくれました。
 ありがとう(涙)。
 本番もバッチリ!
 次は、お話の時間です。
 こちらから特にアドバイスはしていなかったのですが、おにいさん、子ども達にちゃんと絵が見えるように、何度も近づけてあげたり、「なんだろうねぇ」「わかるかなぁ」と、絵本にはない言葉で問いかけてみたりと、子ども達の目線で気持ちを込めて、お話を読み進めてくれました。
 その優しさに、お母さん達の心もほっこりとします。

 そしてまた、おにいさんの声がとってもステキだったんです。
 「将来は、声優さんとかアナウンサーなんていいんじゃない?」
 と、おにいさんの将来の道を勝手に想像して盛り上がる場面もありました(笑)。


 さて、ここからが「みんなであそうぼう!」の時間です。

 あらかじめピックアップした曲の中から好きな曲、やってみたい曲をリクエストしてもらう形で進めていきました。

 最初のリクエストは「バナナのおやこ」。
 昨年のすくすくの歌でした。
 続いて、
 「あたまかたひざぽん」
 「げんこつやまのたぬきさん」
 「パンダうさぎコアラ」
 「とんとんとんとんひげじいさん」
 どんどんリクエストが入りました。
 次は、「グーチョキパーのうた」です。
 おにいさんには、グーとチョキで「かたつむり」、グーとパーで「ヘリコプター」を作ってもらいました。

 「他にも作ってみたいものありませんか?」
 と呼びかけると、手が挙がりました!

 「実は、グーチョキパーのべつかいバージョンを作ったんです」
 と紹介してくれたのがこのお母さん。
 読み聞かせサークルや人形劇サークルで活動してきたこのお母さん。
 地元愛がステキですね。
 参加したお母さん達も大絶賛でした!
 このべつかいバージョン、すくすくでもぜひ定着させましょう!!

 次に、お父さんにリクエストしてもらいました。
 選んだ曲は、「ぞうさん」。
 みんなで、腕をぞうさんの鼻に見立てて歌いました。

 「ぞうさん」、心が温かくなる歌ですね。
 でもね、歌詞に登場するのはお母さんなんです。
 せっかくお父さんにリクエストしてもらったので、歌詞の「かあさん」の部分を「とうさん」に変えて、もう一度歌ってみました。

 「あ~のね、とうさんがすきなのよ~♪」

 こんな風に言ってもらえるお父さんになってくださいね!


 さてさて次は、いいタイミングで体を動かす曲がリクエストされました。

 遊具がなくても、おうちでできる公園ごっこ。
 「おとなこうえん」
 グルグル回す、メリーゴーランドもありました。

 ちょうどこのタイミングで、M君の担任の先生が体験の様子を見にきました。
 M君にカメラを向ける先生の何とも言えないいい笑顔。
 小さな子ども達のかわいさもさることながら、M君の頑張っている様子がうれしかったのでしょうね。


 次のリクエストは、「いぬのおまわりさん」。

 牛乳パックの「いぬのおまわりさん」と「まいごのこねこちゃん」。
 おにいさんが、歌詞に合わせて演じてくれました。
 とっても上手に演じたおにいさんに、お母さん達からも大きな拍手が起こりました。

 続いては、「くるくるヘリコプター」。
 おにいさんのヘリコプター、とっても高~い!
 さすがおにいさん。
 ダイナミックな動きがとっても頼もしいです。
 わが子の喜ぶ顔を見て、お母さんもとってもうれしそうでした。
 お母さんには、なかなかできないことですからね。
 最後の曲は、「かなづちトントン」。

 かなづちが1本、2本、3本と、どんどん増えていきます。
 最後は、頭もつけてかなづち5本!!
 きつかったですねぇ。
 でも、きついと思いながらも必死にやってしまう楽しさがありますよね。
 ちなみに、おにいさんは余裕の表情でした。
 さすがです。

 「みんなであそぼう!」の最後は、ミニ運動会。
 徒競走とハイハイ競走、玉入れを行いました。
 最後に、おにいさんに「ハイハイの見本を見せてくださ~い」とお願いしたところ、あざらしさんハイハイで颯爽とゴールしました。
 あまりの速さに写真を撮る暇もなかったのが残念……。
 ここでもおにいさんに拍手が沸き起こりました。

 玉入れも頑張りましたね。
 みんなの協力で、全部の玉を箱に入れることができました!
 さて、親子体操の前に一度息を整えて……。
 おにいさんに、お母さんから質問タイム。

 母A:「将来は、何になりたいですか?」
 M君:「まだわかりません」
 母A:「歌のおにいさんはどうですか?」
 M君:「……(苦笑)」
 *こんな風に言わせてしまうほど、M君ががんばった証拠ですね。


 スタッフさん:「小さい頃の思い出の歌や手遊びはありますか?」
 M君:「よく覚えてないです……」
 *と、言いながらも、この日やった歌や手遊びは、ほぼ完璧にこなしてましたよ!

 母B:「学校の先生や親がうざいなぁと思うことはありますか?」
 M君:「今、やろうとしていることに対して、あれこれ言われるのがいやです」
 母たち:「う~ん、リアル~」「やっぱりかぁ」「注意しなきゃね」
 *ある意味、お母さんにとって学びの場になりましたね。


 さて、気持ちを切り替えて、最後の親子体操です。

 まずは、「ちからあわせて」から。
 クライマックスの「エビカニクス」。
 終了後、みんなで記念撮影。
 楽しく流れた時間。

 M君が、子ども達と接する中で「言葉は通じなくても、誠心誠意をもって接すれば心が通じる」ことを感じたと話してくれました。
 また、「自分が親になったときに、この経験を生かしていきたい」とも。

 M君のがんばりに大きな刺激を受けたお父さん、お母さん達。
 十数年後のわが子の姿に思いを馳せ、「さぁ、またがんばろう」という気持ちになれたことでしょう。

 終了後、こんな感想を残してくれたお母さん達もいました。
  • 恥ずかしがらず、上手に踊りや読み聞かせをしてくれて、とても楽しく過ごせました。
  • 子どもと同じ目線でがんばってくれていたのが、うれしかったです!
  • 人に関わろうとする意欲や臨機応変に動けるところがすてきでした。
  • 思春期で、人前で踊ったりするのは恥ずかしい年頃なのに、踊りも読み聞かせも一生懸命やっていて、素晴らしかったです。また、自分の子どもも、中学生と触れ合う機会はなかなかないので、良い経験になりました!

 M君、実は職場体験の第1希望は公民館ではなかったのだそうです。
 しかも、デスクワークをイメージしていたようですから、まさか、すくすく学級の運営体験があるとは思ってもみなかったことでしょう。

 前日の打ち合わせと準備の最中、M君、緊張と不安でいっぱいの様子でした。

 学校生活の中で人の前に立って何かをすることとは、また勝手が違います。
 初めて会う子ども達やお母さんがどんな感じなのか、イメージを持つことも難しかったかもしれませんね。
 思春期ですから、恥じらいを持つのも当然です。

 いろんな気持ちが渦巻く中、自分にとってはやりたいことではなかったかもしれませんが、誠実に取り組むその姿が、お母さん達の心を動かしました。

 M君、これからも自信をもって学校生活を送ってくださいね。

 M君には、前日の歌や踊り、手遊びの練習、絵本の選定、当日の会場準備と、本番だけではない、裏側の仕事にも携わってもらいました。
 5つのプールの空気入れに、おぼえた曲も10曲以上、なかなかの体力勝負だということにも気づいたことでしょう。

 M君のがんばりのお陰で、いつもとは一味違った楽しい時間を過ごすことができました。
 M君、お疲れさまでした。