臨床研修を終えて(平成30年7月)

 本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
7月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
 今回、地域医療研修として町立別海病院で一ヶ月間研修を経験させていただいた。研修医として市立ひらかた病院で経験した症例とは異なる、地域に密着した医療を経験できたとても有意義な一ヶ月間だった。
 入院患者の多くは後期高齢者であり、また入院日数も長期化している方が多く、その中で我々医療者ができることは急性期病院とは異なり、多岐に及び、また個人個人にあわせた考えさせる医療を身をもって体験できたことは、今後の医療人生を送るにあたって、貴重な基盤になったと思う。
 また手術症例も多く経験させていただいたが、その中で特に考えさせられたのは、一人の医療従事者の知識や経験、技量が、その患者の将来を大きく左右するということである。ここで勤務しておられる先生方や看護師始めコメディカルの方々は、広い分野に対して知識や技量をお持ちであり、さらに意欲や前向きさを間近でひしひしと感じることができた。そのモチベーションは間違いなく目の前の一人一人の患者さんが自分たちの医療技術で今後の生活レベルが決まるという前述のことがあるからではないかと推考する。これは今の細分化された医療ではなかなか実感できないことであり、自分の専門分野を離れたり、日常生活に戻った患者のことまで考えて医療を行わなければならないという、医師としての根本的な考えを改めて教えられた。

 また、病院だけでなく、保健所や診療所での研修では、さらに地域と密着した医療をみせていただいた。日頃特に気にも留めず処方を出しているが、患者のコンプライアンスやADLまで考えて処方内容や処方量をだしておられた先生方をみて、今後高齢化社会が加速度的に進行していく日本での医療のあるべき姿の一面を見せていただいたと思う。この経験を枚方に帰っても少しでも活かしていくことが、研修させていただいた先生方への感謝の気持ちであると思う。
 
 
 最後に、何も分からない一研修医に対して一ヶ月間の研修生活、手とり足とりご指導いただき、誠にありがとうございました。西村院長始め、諸先生方、病棟や外来の看護師さん、Ptの方や薬剤師の方などこの場を借りて感謝の言葉申し上げたいと思います。また、ここでの研修も糧として、一人前の医師になったら、何らかの形で別海の医療に関わらせて頂いて少しでも力になれたらなと思います。貴重な体験本当にありがとうございました。