熱中症について

お知らせ

熱中症とは

熱中症は、高温多湿な環境に、私たちの体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。

日射病、熱射病、熱中症、どう違うの?

 昔は、強い直射日光に長時間当たることで発生する「日射病」や、屋内外を問わず高温多湿な環境下に長時間いたり作業をした時に起こる「熱射病」と、呼ばれ方が様々でしたが、平成12年からすべて「熱中症」に統一しました。
 熱射病、日射病という呼び名が無くなったわけではなく、症状ごとに表現をかえなくても総じて呼べる名前として、「熱中症」がよく使われるようになりました。

熱中症はこんな症状

身体が熱くなるだけでなく、あまり知られていない熱中症のサインもあります。

自覚症状

  • めまい・顔のほてり
  • 筋肉痛・筋肉のけいれん・筋肉がつる
  • ボーッとする・一瞬気が遠くなる
  • 体のだるさ・吐き気・尿が出なくなる

他覚症状

  • 元気がない・体調が悪そう
  • 体温が高い・皮膚が熱い・皮膚が赤く乾いている
  • 汗のかきかたがおかしい・まったく汗をかいていない
  • 水分を飲めない
  • 呼びかけに答えない、まっすぐ歩けない

こんな事で熱中症予防

  • 「気温や湿度を」計って知ろう
 歳を重ねると体温の調節機能が落ちてくるため暑さを自覚しにくく、体の反応や暑さ対策の行動が遅れがちです。
 温湿度計、熱中症計などを活用し、危険度を知りましょう。
  • 「室内を」涼しくしよう
 室内でも、高温多湿・無風の環境は熱中症の危険度が高まります。
 冷房や除湿機・扇風機などを適度に利用し、涼しく風通しの良い環境で過ごしましょう。
  • 「水分を」計画的にとろう
 歳を重ねると体内水分量の減少により脱水状態になりやすく、体が脱水を察知しにくいため、水分補給が遅れがちです。
 のどが渇く前に、定期的な水分補給をしましょう。キュウリやナスなど、水分を多く含む食材を、食事に取り入れるのもよいですね。
  • 「お風呂や寝る時も」注意しよう
 入浴時や就寝中にも体の水分は失われていき、気づかぬうちに熱中症にかかることがあります。
 入浴前後に十分な水分補給をしたり、寝るときは枕元に飲料を置いたりしておくとよいでしょう。
  • 「お出かけは」体に十分配慮しよう。
 外出時は、体への負荷が高まることに加え、汗で水分が失われたり、日差しや熱の影響を受けやすくなったりします。
 服装を工夫する他、水分補給を十分とって体を守りましょう。
  • 「周りの人が」気にかけよう
 年配の方は自分で暑さやのどの渇きに気づきにくいうえ、体調の変化も我慢をしてしまうことがあります。
 周りの人が体調をこまめに気にかけ、予防対策を促してあげましょう。

暑熱順化

 日本では四季があるため、同じ気温でも初夏に熱中症になる人が晩夏より多くなります。これは「体が暑さに慣れていない」ことが原因です。
 体が暑さに慣れると、熱中症にかかる可能性を減らすことができます。暑くなる前に、暑さに強い体を作りましょう。

暑さに慣れる「暑熱順化」とは

 暑さに体が慣れることを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいます。熱中症を予防するために非常に重要です。
 暑熱順化をすると次のような良いことがあります。
  • 汗をかきやすくなる(汗が蒸発するときに体の熱を奪う)
  • 皮膚の血流が増える(血液は体の熱も運ぶので血流が増加すると熱も多く運ばれ体外へ放出される)
  • 汗の塩分濃度が減る(暑熱順化により汗をかきやすい体質になることで体に必要なナトリウムを失いにくくなる)

暑熱順化の方法

  1. ウォーキング(30分/週5日)、ジョギング(15分/周5日)
  2. サイクリング(30分/週3日)
  3. 筋トレ・ストレッチ(30分/5日~毎日)
  4. 入浴(2日に1回程度)
※安全に行うポイント
  • 初めは短時間の軽い運動から始め、徐々に運動時間をのばしていきましょう。
  • 朝早くや夕方など、比較的涼しい時間帯に行いましょう。
  • 暑熱順化するには、数日~2週間程度かかります。いずれも無理のない範囲で実施しましょう。

熱中症対策をしよう!

食事
 夏は暑さで食欲が落ちやすいですが、バランスの良い食事をとることで、熱中症になりにくい体を作ることが大切です。
 暑い夏こそ、主食(ご飯やパン)、主菜(肉や魚)、副菜(野菜)をそろえた食事を心がけましょう。 
おすすめの食材
  • ビタミンB1
炭水化物をエネルギーに変える効果があります。
(例)豚肉、豆腐、味噌、モロヘイヤ、玄米
ビタミンB1は水に溶けやすいため、なるべく水を使わない調理(蒸す、電子レンジを活用するなど)をする、スープなどの煮汁ごといただく料理にすると効率的です。
  • ビタミンC
免疫力を高めてくれます。ストレスへの抗体を作ってくれます。
(例)赤ピーマンなどのカラフルな夏野菜、じゃがいも、柑橘類、キウイフルーツ
ビタミンCは熱に弱いため長時間加熱しすぎないようにしましょう。
  • クエン酸
疲れの原因になる乳酸の発生を抑える効果があります。
(例)梅干し、酢、グレープフルーツ、レモン
運動前に摂取すると効果的です。
おすすめの飲料
◎水、麦茶(△緑茶や紅茶にはカフェインが入っており利尿作用があるので、できればカフェインのはいっていないものが良いです。)
〇ジュース(大量に発汗した際は0.2%程度の塩分を含むスポーツドリンク等の飲料が効果的です。日常的な摂取は糖分・塩分のとりすぎになるので注意しましょう。)
×お酒(アルコールは利尿作用が強く、飲酒量以上の水分を排出してしまいます。)
衣類
熱がこもりにくい服装をしましょう。
  • 風を通しやすい服を選びましょう。(ゆったりとした服、袖口や襟ぐりが開いている服)
  • 汗を吸ってすぐに乾く素材を選びましょう。(「吸水性」と「速乾性」に優れた素材がおすすめです。例:綿、麻、ポリエステル等)
  • 白、黄色、薄いグレーなど、熱を吸収しにくい色の服を選びましょう。黒、緑、青などは熱を吸収しやすく、暑さが増してしまいます。
つばの広い帽子やネックガード付きの帽子をかぶりましょう
 頭や首に直射日光が当たるのを防ぎます。直射日光を防ぐだけで、頭の温度が5~10℃ほど上がるのを防げると言われています。
 特に長時間歩く際にはネックガード付きがおすすめです。サンバイザーは頭部に直射日光があたるので熱中症対策にはなりません。
帽子の中にこもった熱を逃がしましょう。
 通気性の良い帽子を選びましょう。(例:メッシュ、麻、麦藁帽子)

打ち水

 打ち水をすると「気化熱」により気温が下がって涼しく感じます。
 ※水が蒸発するときに地面の熱を奪い、温度が下がります。日本の夏の風物詩『打ち水』で涼をとりましょう。
打ち水の作法
  1. 水を用意する
  2. 水を撒く(朝や夕方に日陰にまくと涼しさが持続して効果的です。)
  3. 涼を得る
(ベランダや壁に打ち水をしてみよう。 エアコンの室外機の周りに打ち水をすると冷房効果がよくなります。故障の原因になるので直接かけるのはやめましょう。)