臨床研修を終えて(令和4年11月)

 まず初めに新型コロナウイルスが流行する中、実習の受け入れを承諾して下さり有難うございました。約一か月間大変お世話になりました。
 来て当初、空港を降りてすぐ、動物の糞や土のにおいがして、すごく感動しました。自分は遠い所へやってきたんだなと実感したのを覚えています。夜は暗い、出歩いている人もあまりいない、シカに気を付けて運転しなければいけないと不安なことが数多くありましたが、だんだん慣れていき、2週目からは快適に過ごすことが出来ました。何より人の優しさに衝撃を受けた一か月でした。よく通ったコープさんの店員さんがレジ袋を開くのに手こずっていたら「あけますよー」と言って開けてくれたこと、中標津空港で病院職員の方に声をかけていただいたのも心に残る思い出です。
 
 勤務に関しても、皆さん本当に親切で優しく感動しました。どの方も毎朝快く挨拶してくれてとても気持ちよく働くことが出来ました。慣れないことが多く、逆に看護師さんの仕事を増やしてしまったことが数多くあったと思いますが、どなたもとても親切で丁寧でうれしかったです。主な業務としては、院長の外来や病棟のこと、発熱外来や当直、手術を主にさせていただきました。院長と看護師さんと真っ暗な寒空の駐車場で発熱外来の対応をしたことはとてもいい思い出になりました。初めての当直でシカと衝突した玉突き事故があったこともとても衝撃的でした。病棟の入院患者さんは大阪の患者さんより10歳くらいご高齢な印象でした。ターミナルの患者さんも多く、残りの人生を苦しさや痛みなく過ごせるような医療が施されていたり、食事がとれない患者さんに点滴を皮下注射で投与しているのもすごく驚きました。大学病院では書いたことのない書類も書くことができて非常に勉強になりました。院長先生がコロナでお休みになっているときもビデオ通話しながら病棟のことを相談したことも非常に新鮮で楽しかったです。尾岱沼診療所や西春別駅前診療所で外来見学させていただいたこと、保健センターで3歳児健診をさせていただいたこと、別海消防署で消防実習をさせていただいたことも大変いい経験になりました。手術においては外科の先生が外科症例以外にも手術の麻酔を管理されていたり、整形外科の患者さんの術後の管理もされていたことがとても印象的でした。北海道外から来られている先生方も多く、数多くの医療者に支えられていることがとても印象的でした。
 この一か月で数多くの大阪では経験することが出来ない実際の地域医療を肌で感じることができ、大変、身になった期間を過ごすことができたと思います。大阪に戻りかなり距離が離れてしまいますが、何かしらの形で別海町や別海病院に携われたらいいなと思います。本当に有難うございました。