地域研修を終えて(令和4年7月)

本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
7月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
 7月の4週間、別海病院で地域研修をさせていただきました。
 はじめて訪れる土地での研修への不安と、道東の広大な自然・美味しい食べ物への期待が入り混じりつつ、中標津空港に降り立った時のことを今でも鮮明に覚えています。
 最初は慣れない環境に戸惑いましたが、優しく熱心な先生方や、温かい病院スタッフの方々に支えられて、無事に研修を終えることができました。コロナ禍で大変な状況の中、研修を受け入れていただいたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

 
 研修中は院内だけでなく、診療所、保健センター、消防署でも勉強させていただきました。
 別海町は全国で3番目に広い町であるにも関わらず、医療機関は1つの総合病院と2つの診療所のみであり、医療資源が限られています。だからこそ、今ある医療資源を最大限に活かしつつ、地域や病院同士で支え合い、時には行政とも連携をとりながら互いに強固に結びつくことで、別海町民の健康を支えているのだと感じました。
 大阪では、医師の数も豊富で、自分の専門科以外のことは、「餅は餅屋」という様にすぐに他科にコンサルトしてしまうことが多々あります。しかし、別海病院ではそういう訳にもゆかず、先生方はご自身の専門以外のことにも精通しておられ、患者さんを全人的に診療されていました。そんな先生方のジェネラリストとしての姿勢に大変感服いたしましたし、診療科毎に分けるのではなく、全人的に診る地域医療こそが医療の応用なのだと感じました。

 また、別海病院では消化器や整形外科の手術が頻繁に行われていることにも驚きました。住み慣れた土地で手術からリハビリまで一貫して行えることは、患者さんにとって安心できる素晴らしい環境であると感じました。外科の先生がご自身で麻酔や内視鏡をされていることも、大阪とは違っており、大変興味深かったです。
 消防署研修や介護認定審査会では、pre hospital、post hospital について学びました。消防署研修では普段なかなか体験できない様な綱渡りや降下訓練に参加でき、翌日は全身筋肉痛になりましたが、大変楽しく、良い経験が出来ました。ありがとうございました。 これらの経験を通して、様々な職種の方の協力により、別海町の医療は支えられているのだと実感しました。

 今回の研修では、大阪では経験することができない様な、急性期医療のその先について学ぶことができました。
 4週間と短い間でしたが、先生方をはじめ、全ての病院スタッフの方々には大変お世話になり、本当にありがとうございました。   
 この経験を活かして、残りの研修期間も実りあるものに出来るよう努力していきます。ありがとうございました。