地域医療研修を終えて(令和元年7月)

 ひらかた病院より、1か月町立別海病院に研修に来させていただきました。人よりも牛の数の方が多く、広大な土地を持ちそれでいて病院の数も少ない、といった環境での1か月の研修はとても有意義なものでした。
 医師は広い範囲の疾患を診ておられ、医師が多い大阪では他の科の医師に診ていただくという環境が当たり前だったので、感銘を受けました。
 
 酪農をされている患者さんが多く、高齢者でも仕事を続けている方も多くいらっしゃり、その生活や仕事に合わせた処方や受診のスケジュール決定などをされているのがとても印象的でした。医師を始め看護師さん方、その他の医療スタッフ全員が、患者さんの病気を治すだけでなく、そのように生活や仕事の配慮などもされており、患者さんに寄り添って一緒に考えるという地域密接の医療を間近で感じることができました。

 私が過ごした7月は例年よりも天気が悪く、曇り空ばかりで気温が低く熱中症で救急搬送、などの症例はほとんどありませんでした。ですが、冬になると低体温で救急搬送となることもあると聞いて、雪国ならではの医療だと感じました。
 ドクターヘリで搬送を行う、救急車での搬送が1時間かかる、別海病院に来る救急搬送は全例うけいれる、ということにもとても驚き、別海病院が担う医療の重大さを改めて感じました。

 消防署実習、保健センター研修では病院の外での医療がどのように行われているかを学ぶことができました。色んな職種の方たちに、私たち医師の手の届かない範囲の医療を担って頂いていることを実感できました。
 週末は道東を車で巡り観光ができ、別海でも美味しい物を頂くことができました。私生活でも多くの方と仲良くしていただき、色んな角度から別海のこと、北海道のことを知ることができました。

 医師の先生方、看護師さん、薬剤師さん、技師の方々、事務の方々、他にも病院で関わった方々、皆さんが優しく受け入れて下さり、本当に楽しい1か月を過ごすことができました。
 先生方は未熟な私にも丁寧に指導して下さり、様々なことを学ばせて頂きました。別海病院で学ばせて頂いたことは、今後の医師としての人生で大きな糧になると思います。
 1ヶ月の間に関わった全ての方に感謝しています。本当に1ヶ月お世話になりました。