地域研修を終えて(令和6年4月)

 今回、私は大学病院から地域研修として2024年4月の1ヶ月間、町立別海病院にて研修させていただきました。自分が行ったことがない、そして今後行くことが少ないであろう道東の別海町で地域研修をしてみたいと思い、今回選ばせていただきました。実際に研修させていただいて仕事面でも生活面でもここでしかできない経験をすることができ、本当に良かったと思っています。
 
 別海町は香川県とほぼ同じ面積と非常に大きい町ですが、その中に病院は町立別海病院と、診療所が2つしかありません。それに加えて、今年の4月から病院の常勤の医師が3人となってしまい、内科1人、外科1人、小児科1人という体制で外来、病棟をまわさなければいけなくなっていました。また、当直に関しては毎日、全国からくるバイトの医師が当直するという状況で私が思っていたより厳しい状況でした。
 そんな厳しい環境になっていることとは関係なく、いつものようにあらゆる疾患を抱える患者さんが毎日来院されます。大阪の都市部の病院では専門の疾患ごとにその専門の先生が診ていますが、別海病院ではどんな疾患でも先生の広い知識と経験で的確かつ効率的に対処されていました。今の専門医制度では自分の専門とする分野のみ診られれば医師としては働いていけると思いますし、地域研修する前の私も専門分野のみ診られる医師になれればいいと思っていました。しかし、別海病院での先生方をみて自分の専門分野に関係なく一人で一通り患者さんの背景を含めた全体を診ることができる医師になりたいと感じ、それを目指して今後も勉学に励まなければいけないと考えを改めました。
 病院だけでなく診療所、特別養護老人ホーム、消防署などの見学がありチーム医療というものを病院の中だけでなく、病院外の施設を含めた観点からみることができ、地域の中の保健・医療・福祉の幅広い職種の方々と協力していく重要性を認識することができました。
 今回の研修では私にとって初めての道東であり、気候も環境も慣れないことばかりでしたが、病院の皆様に食事に誘っていただいたり、おすすめの観光地を教えていただいたり大変充実したものとなりました。
町立別海病院での地域研修は自分の後輩たちにも自信をもって薦めることができる病院だと思います。
 最後に、先生方をはじめ、病院スタッフの方々や各施設でお世話になった皆様、お忙しい中お時間を頂戴し、ご指導いただき誠にありがとうございました。今回、町立別海病院で地域研修したのも何かの縁ですので、今後、なにかお役に立てることがありましたら是非やらせていただきたいと思っています。