地域研修を終えて(令和3年12月)

 本院では大阪医科薬科大学病院からの臨床研修医を受け入れております。
 12月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
 普段は大阪府高槻市にある大阪医科薬科大学病院に勤めておりますが、地域研修として2021年11月29日より1ヶ月間、ここ町立別海病院でお世話になりました。数ある選択肢の中から町立別海病院を選んだ理由は、単純に「寒い季節に寒いところへ行ってみたかったから」です。我ながら安直な理由で来ましたが、院内でも院外でもここでしかできない経験をすることができ、ここに来て本当に良かったと思っております。
 中標津空港に降り立ち、初めに驚いたことは土地の広さです。別海町だけでも1都道府県に匹敵する広さを誇っています。Google Earthで地図を見たときには縮尺を錯覚してしまうほどでした。中標津空港から別海町に来るだけでも、大阪から京都に行くくらいの距離があります。この広い地域を1つの病院と2つの診療所だけで切り盛りすることはとても大変なことだと思いました。実際に病院でも、他の病院がないためほとんどの症例を受け入れ、病院のスタッフだけで診る必要があります。この病院の先生は自分の専門領域だけでなく、幅広い分野の診療に携わる必要があり、尊敬の念が絶えません。医師の専門性が叫ばれるような時代ですが、幅広く診ることができるジェネラリストの必要性を感じました。

 次はこの病院の研修カリキュラムについて感じたことを述べます。まず特徴としては院外での研修が非常に多いことが挙げられます。西春別や尾岱沼の診療所、保健センター、消防署、グループホームなど様々な場所で研修する機会があります。これからの時代は「多職種連携」が一つのキーワードとなりますが、その第一歩としてそれぞれの職務内容や現場のことを知る必要があります。この院外研修ではそういったことを知る良い機会になりました。こういった研修がある理由として、この別海町では複数の施設がこの一帯に集中していることも大きいと思います。
また、院内では内科・外科・小児科・産婦人科の医師が常時滞在しており、外来や病棟、手術室、リハビリテーション室など多くの場所で研修することができました。そして地域研修の場として「生病老死」の全ての段階を一連の流れとして経験することができました。

 この1ヶ月間で多くのことを学ぶことができました。時が過ぎればあっという間の研修期間ではありましたが、院長をはじめ諸先生方、医療スタッフのみなさん、事務の方々、そして別海町の皆さんのおかげでこの1ヶ月間有意義な研修生活を送ることができました。今回学んだことを糧として、より良い医師になれるよう精進してまいります。1ヶ月間、本当にお世話になりました。