地域医療研修を終えて(令和元年6月)

 本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
 6月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
 6月の一か月間、町立別海病院で研修をさせていただきました。
 別海町に来てまず驚いたのは、こんなに広大な地域に対して総合病院が一つと診療所が2つしかないことでした。私の住んでいる大阪では、街を歩けば開業医が多数あり、総合病院もある程度すぐに行ける距離にはあります。町全体の医療を別海病院が担っており、ふだん自分の病院にいるときよりも、より地域を意識した医療を感じることができました。 
 別海病院は常勤医が少なく診療科も限られていますが、別海病院の先生方は専門科以外だからといって診ないといったことはなく、できる限りこの病院で治療を完結しようとされていました。大きな総合病院がある釧路までは車で1時間以上かかり、患者さんにとっては自分の住んでいるところで医療を受けられるのは非常に良いことだと思います。こういったことを可能にしているのは、先生方がジェネラリストとして幅広い知識と高度な技術をお持ちで、さらに日々新たな知識を取り入れようとされているからであり、自分も医師として見習わなければいけないと思いました。

 別海町は高齢者が多く、病院以外にも特別養護老人ホーム、グループホーム、保健センターなど様々な方面から医療を支えていることを実際に現場で見ることで実感することができました。また、酪農や漁業といった第一次産業が盛んであり、肩や腰を痛める人が多く整形外科の需要が高いということは意外でした。定期的に関西の病院から整形外科の先生が来て手術や外来をされており、自分も手術に助手として入らせといただき、非常に良い経験ができました。
 
 休日には道東をドライブし、観光も楽しむことができました。土地が広大で景色が良く、食材が新鮮で食事がおいしく北海道の魅力を十分に感じることができました。ただ6月は曇りや雨で天候があまりよくない日が多かったため、いつかまた観光に来れたらと思います。
 
 一カ月という短い期間でありましたが、院長をはじめ、病院の先生方、コメディカルの方々に非常に良くしていただき、充実した研修をすることができました。大阪に戻ってからもここで得た経験を活かし、頑張っていきたい思います。本当にありがとうございました。