臨床研修を終えて(平成29年7月)

 本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
 7月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
地域医療研修を終えて
市立ひらかた病院 梅田研修医
 枚方からやってきたのがつい先日のことのように感じるほど、別海で過ごした1ヶ月はあっという間に過ぎてしまいました。地元も枚方で、大阪を離れたことがなかった私は、初めはとても不安でいっぱいでした。しかし、1ヶ月経った今となっては、別海病院の先生や職員の方々をはじめとした別海の方々にとても親切に接していただき、とても充実した日々を過ごすことができたと感じています。
 別海町には病院が一つしかなく、さらに大きな病院に搬送するには1時間以上かかるような地域であるということは先輩方の話で伺っていましたが、そのような地域で行われている医療がどのようなものなのかは、細分化された医療しか見てこなかった私には正直あまり想像できませんでした。実際に別海病院に来てみると、骨折は整形外科の先生が診る、心不全は循環器内科の先生が診る、といった自分専門分野以外を診るということがほとんどないのが当たり前の都市部の医療とは異なり、医師の数が少ないため、先生方は自分専門分野以外のものも含めた幅広い疾患に対応されていました。さらに、肺炎やイレウスなどプライマリーな疾患だけでなく、血液疾患などの稀な疾患の治療や悪性腫瘍の手術などの大きな手術もこなされているということを知り、とても驚きました。また、急性期病院、慢性期病院といった区別がなく、慢性期疾患や終末期医療にも携わっており、地域医療というのは急性期から慢性期まで診る地域に密着した病院なのだなと感じました。病院での研修以外にも、特別養護老人ホーム回診やデイサービス、訪問診療などにも同行させていただき、施設の役割の違いやどのような方が利用しているのかを実際にみて学んだり、開業医のいない地域の診療所にも見学にいかせていただきました。他にも消防署や保険センターなど病院に関わる施設での研修もさせていただき、枚方の研修では経験できない地域医療を知るとても良い勉強となりました。
 今回の研修を通して、都市部と地域に医療環境の違いはありましたが、どのような環境でも自分の専門分野を極めるだけでなく、別海病院の先生方のようにある程度の幅広い疾患にも対応できるよう積極的に勉強していくという姿勢はどの環境においても重要なことだなと感じました。枚方に帰っても別海で得た知識や経験を忘れることなく頑張っていきたいと思います。西村院長をはじめとする別海町の皆様、1ヶ月間たくさん親切にしていただき、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。