臨床研修を終えて(平成28年6月)

 本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
 6月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
地域医療研修を終えて
市立ひらかた病院 新美研修医
 まず初めに、1か月間大変お世話になりました。正に瞬く間に過ぎていった1か月でした。外来見学といった研修医の基本的な研修内容から、地域に密着した医療、人員が少ない中での手術など様々な医療を経験できました。研修プログラム上では『僻地医療』という名目でしたが、都市部の医療と何ら引け劣らない最新の病院で最先端の医療現場を目の当たりにすることができました。
 その中でも『僻地医療』として最も印象的だったのが、先生方と患者さんの距離感だったと思います。患者さんの生活背景や住んでいるところ、来院方法などを考えた上で柔軟に医療を提供されているのが印象的でした。
 都市部では比較的安易に医療機関にアプローチすることが可能なので、どちらかというと緊急事態でない限り患者さんが医療機関の都合に合わせていただくことが多く、またそうしないとパンクしてしまうのが現実です。ただ別海病院の先生方は、患者さんの都合・要望に沿った医療プランを立てているところに、地域に根ざした医療を実感できました。また、患者さんも『診てもらっている』という気持ちがすごく大きいのだと思いました。
 救急外来などでは大半の患者さんは、「このような時間に病院に来てしまいすみません」とおっしゃることに驚きました。(枚方では、「救急で来たのにこんなに待たされた」など不平を言われることが多々有ります。)
 全例がそうではないのは承知ですが、先生方が患者さんの生活を考える、患者さんも先生方を信頼している、お互いがお互いを思い遣る気持ちにバランスが取れているので、気持ちの良い医療現場が構築されていると思いました。

 今回経験させていただけた『僻地医療』は、これからの長い医療従事者としての人生において大きな教訓になることは間違いありません。患者さんに少しでも寄り沿う気持ちを持てば、その気持ちが帰ってくるのだと思いました。
 別海病院に来る前は地域医療・僻地医療のことは少しも理解していなかったと実感させられました。このような地域に根ざした病院で、全人的に先進の医療を施していくのも良いなと素直に思っています。

 最後になりましたが、枚方では経験できないような様々な経験を積ませてくださった先生方に再度感謝させていただきたいと思います。本当に短い間でしたが、1か月ありがとうございました。