臨床研修を終えて(平成28年5月)

 本院では市立ひらかた病院からの臨床研修医を受け入れております。
 5月に研修にいらっしゃった研修医からのレポートをご紹介します。
地域医療研修を終えて
市立ひらかた病院 池上研修医
 別海病院で過ごした1ヵ月は本当にあっという間でした。実際に別海町で過ごした期間は1ヵ月でしたが、病院で研修したのはたった18日間。正直物足りない気持ちでいっぱいです。
 5月2日、初めて別海病院に来た日、枚方で診る機会のない腎疾患、血液疾患の多さに不安を感じたことを思い出します。病棟では急性期から慢性期まで様々な患者さんが入院しており、地域医療を見るという軽い気持ちではついて行けないと痛感した初日でした。
 院内では内科外来、検査、手術、病棟と様々な業務に参加させて頂き、保健所や学校検診、特別擁護老人ホーム、病院に来る事ができない患者さんのお宅への訪問診療などを通して赤ちゃんから高齢者まで、誕生から死までを一手に引き受ける地域医療のあり方を体感する事ができました。
 2歳の子供を診察したかと思えば、92歳の高齢者が救急搬送されてくる。そんな状況でも診療科の幅を超えて対応する先生方の知識の広さに、驚き、深い感動を覚えました。同時に、日々の業務の中で常に知識のアップデートをしていく努力に私自身刺激を受けました。当直業務で看取りの医療を経験できた事、転院搬送するのにも1時間半かかるといった現実の中で枚方ではやらないような高度な救急対応を経験できたことが特に印象深く記憶に残っています。

 手術、内視鏡やエコー検査、病棟業務等、枚方で経験したことのないようなこともさせて頂き、地域医療を超えて一研修医として非常に充実した期間となりました。疾患の発見から治療、看取りまで患者さんの人生に寄り添って全て自分で診るというスタイルに地域医療の現状と面白さを感じ、自分の理想の医師像を垣間みた気がしています。
 医師数が限られており診療科も全て揃っているわけではない、という環境でどんな患者が来ても最新・最良の医療を提供しようという先生方の姿に、医師を目指した初心を思い出し考えさせられた1ヵ月でした。
 雄大な自然に囲まれた別海町で学ぶ事ができたのは私の人生で、また医師として、非常に貴重な経験となりました。ここで学んだこと、感じた事を忘れず、枚方でも向上心を持って医療に従事していきたいと思います。

最後になりましたが、院長先生はじめ各先生方、職員の皆様、別海で出会った全ての方々に暖かく迎えて頂き心から感謝しています。本当にありがとうございました。