ロタウイルスワクチン予防接種のお知らせ

ロタウイルス胃腸炎とは?

 口から侵入したロタウイルスが腸管に感染して発症します。感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても、感染予防をすることが難しいため、乳幼児のうちにほとんどの子どもが感染します。下痢や嘔吐は1週間程度で治りますが、下痢、嘔吐が激しくなると脱水症状を起こす場合もあり、乳幼児の急性胃腸炎の入院の中で最も多い感染症です。一生のうちに何度も感染するウイルスですが、初めてロタウイルスに感染したときは、特に重症化しやすく、まれに脳や腎臓に影響を及ぼすこともあり注意が必要です。生後、すぐに感染する場合もあるので、ワクチンの接種は早い時期に完了しましょう。

ワクチンについて

 ロタウイルスワクチンは飲む生ワクチン(弱毒化したウイルス)です。
 このワクチンは、ロタウイルス胃腸炎の発症そのものを7から8割減らし、入院するような重症化は、そのほとんどが予防できます。ただし、ロタウイルス以外の原因による胃腸炎には予防効果を示しません。

ワクチンを接種する前に

 赤ちゃんのお腹がいっぱいだと、上手にワクチンが飲めない場合がありますので、接種前30分ほどは授乳を控えることをすすめます。上手に飲めるよう、医師、看護師の指示に従ってください。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でも、わずかでも飲み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。

ワクチンを接種した後

 接種直後は、医療機関で30分ほど様子を見てから帰宅してください。ワクチン接種後2週間ほどは、赤ちゃんの便の中にワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後などていねいに手を洗ってください。高熱、けいれんなど異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

腸重積症について

 腸重責症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです。0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、3から4か月ぐらいから月齢が上がるにつれて多くなります。早めに接種を開始し、完了させることがすすめられています。
 腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後、早くに治療すれば、ほとんどの場合、手術をせずに治療できます。以下のような症状がひとつでも現れたら、腸重積症が疑われますので、すぐに接種した医療機関を受診してください。
  • 泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
  • 嘔吐を繰り返す
  • ぐったりして顔色が悪くなる
  • 血便がでる

接種できない場合

 明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人や、重度の急性疾患にかかっている人、過去に同じワクチンで強いアレルギー反応が出た人は、接種することができません。また、未治療の先天的な消化管障害がある人や過去に腸重積症を起こした人、重症複合型免疫不全(SCID)のある人も接種できません。このほかにも、接種を中止したり、延期したりした方がよい場合がありますので、予防接種を受ける際は、医師と相談してください。