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平成29年度「行政執行方針」

{総務課}{町の概要}
T はじめに

 私は、就任した昨年6月、第6次別海町総合計画を計画完了まで推進していくと、執行方針で申し上げたところです。
 平成29年度は、その中にあっても、私の町政に対する熱い思いである「子育て世代への応援」「老後の安心」「活力ある産業の維持」3点において、「速やかに実行しなければならないこと、実行できること」について積極的に検討し、取り組みを進めてまいります。

 平成21年度にスタートした行政運営の総合的な指針である第6次別海町総合計画は、残すところ2年の計画期間となりました。
 これまで実施してきた事業の検証や評価を進め、平成31年度から始まる「第7次別海町総合計画」策定に向けて、「経済・福祉・教育が充実し安心して暮らせるふるさと」「住むことで心豊かになるふるさと」をつくり上げる計画となるよう、本年度から具体的な作業を開始します。

U 主要施策の推進

1 活力ある産業のまち

 農業の振興について、TPP、環太平洋パートナーシップ協定に関しては、米国が離脱を正式に通知したことから、今後は2国間の貿易交渉に転換すると予想されます。
 また、日・EU経済連携協定交渉も協議されていることから、今後も政府の対応を注視する必要があります。
 国際交渉の進展による将来への不安から離農者が増加しないよう、様々な営農形態の酪農家が、将来に希望を持って取り組めるよう、国に対して万全な対策を求めていきます。

 農業の担い手確保は最重要課題の一つですが、町、農協等の関係機関で構成する「別海地域担い手育成総合支援協議会」を中心として、大都市圏域の学生などを対象にした酪農体験の働きかけに加え、新たに子育て世代をターゲットにした研修生の確保を図るとともに、次世代を担う農業後継者に対して支援を行います。

 酪農研修牧場は、担い手確保の最前線として開設から20年が経過しましたが、施設及び機器等の老朽化が進んでいるとともに、増設が必要な施設もあることから、計画的な整備を行っていきます。
 また、日本一の酪農の町として、農業生産基盤の一層の充実が必要なことから、豊富な自給飼料基盤を活かした草地型酪農を推進するため、草地基盤の生産性向上に向けた取り組みを支援します。

 森林環境の保全は、安全で安心な農水産物の生産には欠かせない水を育む源であり、環境保護の役割を担う適切な森林整備を進めるためには、その体制作りが重要です。
 特に、森林整備を計画的に行うには、林業従事者の確保が必要不可欠であり、担い手確保対策として高性能林業機械の整備等を支援し、林業の振興を図ります。

 水産業の振興については、藻場や干潟の保全活動による良好な漁場環境の整備に努め、資源管理型漁業の推進を積極的に支援して漁家経営の安定化を図ります。
 また、北海道が事業主体で実施する、漁港の長寿命化を目的とした町内4漁港の整備事業を支援するとともに、風蓮湖内の物揚場整備に着手し、衛生管理と漁業生産活動の効率化を図ります。

 地場産水産物の付加価値向上と流通対策については、新製品の開発と、製品販売の商談やPR活動といった消費拡大、販路拡大への取り組みを支援し、さらなる別海ブランドの確立と強化に努めます。
 
 観光振興については、昨年度に引き続き外部アドバイザーを招聘し、ドライブで訪れる観光客を対象とした実証実験を行い、町内経済団体と連携しながら産業、食、自然景観、野鳥などの地域資源を活用した体験型観光の構築を目指します。

 ふるさと交流館は、老朽化が著しいことから保全計画に基づき施設の改修を継続していくかどうかも含めて、本年8月を目途に今後の運営の方向性を示したいと考えています。

 中小企業の振興については、別海町中小企業振興基本条例を基本理念とし、中小企業融資や新規起業支援、地元企業の受注機会の確保、商店街の活性化、担い手育成など中小企業振興対策を引き続き実施します。
 また、平成29年度をもって終了する中小企業利子補給金の特例による増額は、融資枠の増額を含めて検討を行います。

2 自然と共生するまち

 健全な畜産環境の保持を目的として、平成26年度に制定した「別海町畜産環境に関する条例」については、本年4月1日から本格施行となることから、基幹産業である農業と漁業が今後とも地域経済を支える産業として、健全な発展を遂げることができるよう取り組みます。
 また、地域資源を有効に活用するために、引き続きバイオマスエネルギー及び新エネルギーの利活用に取り組むなど、環境保全型農業を推進します。

 ごみ処理については、分別リサイクルの徹底を進めリサイクル率30%を目指し、「廃食用油」と「貝殻」の分別収集を開始します。
 また、生ごみの水切りや分別ルールの啓発活動を積極的に行い、ごみの減量化に取り組み豊かな環境の保全と循環型社会の形成を図ります。

 野生鳥獣適正管理については、エゾシカによる農林業等の被害防止対策として、春と秋に猟友会の協力により、町内全域を対象に銃器による駆除を実施しています。
 さらに、越冬地対策として行っている野付半島と走古丹地区での生体捕獲については、平成28年度から民間業者の協力で囲いワナを増設しており、これらを効率的に活用して被害の防止に努めます。

 町内の公園には、新たに実のなる木の植樹を進め、町民が木とふれあい、木に親しみながら秋には収穫する喜びを感じられる、また、子ども達にとっては学習材料として活用できるような公園造りを進めます。

3 健やかに暮らせる福祉のまち

 この町で暮らす町民一人ひとりが、心身ともに健やかに暮らし続けることが、町を豊かにする根幹です。
 子どもから高齢者まで、そして障がい者や認知症の方など全ての方が安心して暮らせるまちでなければなりません。

 健康づくりの推進については、生活習慣病等の一次予防に重点を置き、病気の早期発見、重症化防止のため健康診査受診の勧奨や、保健師、栄養士、歯科衛生士などによる、きめ細かな保健指導を積極的に実施し家族全員の健康維持を支援します。
 また、助産師及び保健師による相談や訪問等により、妊娠、出産、育児と切れ目ない支援をします。

 子育て支援の充実については、子ども・子育て支援事業計画に基づき、地域や民間、行政が力を合わせ、安心して子どもを産み、子育てができる環境の充実を進めます。

 子ども医療費については、中学生卒業までの入院、通院医療費を助成し、子育て世帯の経済的負担を軽減します。
 また、共働き世代をしっかりと応援するため、中春別へき地保育園を認定こども園運営に移行し、待機児童を出さないことを町の責務として捉え、地域の実情に沿った保育園の運営を図ります。

 保育園等の利用者負担は、町独自の施策として国が負担基準としている額の50%とし、所得に関係なく多子世帯に対する軽減措置を適用し、保護者の負担を軽減します。

 さらに、新たな事業として、子どもの出生を町民全員で喜び、お祝いの気持ちを伝えるとともに、健やかな育ちを支援する「出産祝金贈呈事業」を実施します。

 障がい者支援については、障害者施策の基本的な計画である第3期別海町障がい者計画や、第4期障がい福祉計画に基づき施策を進めます。
 障がい者計画の基本理念は、障がいのある人もない人も、一人ひとりが輝く共生のまちの実現であり、今後も本町独自の取り組みとして行っている、無料バス利用券交付事業を始め、生活援護関係の各事業を実施します。

 高齢者施策については、介護保険法の改正に伴い、全国一律の基準で実施している介護予防給付の一部を、町が行う介護予防・日常生活支援総合事業へ移行し、事業の充実を図り、高齢者が地域において自立した日常生活を継続できるよう支援します。
 また、課題となっている介護職員不足については、介護職員初任者研修の開催や研修受講者に対する支援など、介護事業所とも連携した人材確保を図ります。

 国民健康保険事業は、法律等の改正により、安定的な運営や財政基盤強化を目的として、平成30年度から財政運営主体が都道府県へ移行し、市町村との共同運営になります。
 国民皆保険の最後の砦である国民健康保険は、町民の医療を受ける環境を守るうえで継続可能な制度であることが重要なことから、移行による税率への影響等をしっかりと検証していきます。
 さらに、保健事業の実施による医療費の抑制と保険税徴収の向上に努めます。

 地域医療を取巻く環境は、医療従事者不足など、依然厳しい状況が続いています。
 平成28年に策定された北海道地域医療構想では、将来人口や年齢構成を踏まえた中で、医療機関相互の役割分担と連携の促進や、医療と介護が連携した地域包括ケアシステムの構築が求められています。

 本町は、広大な面積を有するという特殊性がありますが、町内唯一の病院として、地域の福祉関係施設とネットワークを構築し地域完結型医療を目指します。
 また、医師確保推進機関等との連携や、医師の派遣をいただいている札幌医科大学との関係をさらに強化し、奨学資金制度の活用などにより、安定的な医療人材確保に努め、町民が住みなれた地域で安心して暮らすため、求められる医療と高度医療の提供、及び予防医療の推進を図ります。

4 人を育てる学びのまち

 生涯学習においては、町民一人ひとりが生涯を通じて積極的に学び、その成果が活力に満ちた地域社会の形成につながるよう、学習活動の環境づくりを推進するとともに、その拠点となる仮称「生涯学習センター」の実施計画に着手します。
 また、防衛省所管の補助事業で整備を検討してきた学校給食センターについては、早期改築を目指して、別事業により実施設計に着手します。

 学校教育では、自分らしく学び続ける子どもの育成を目指して、保育園、幼稚園から高校まで連携する別海型の教育活動を推進するとともに、地域においては、コミュニティ・スクールの導入に向けた準備を進め、家庭と地域が連携した学校運営に向け、学校教育、社会教育が一体となった活動を展開します。
 
 別海高等学校については、本年度3間口での募集が復活した普通科、及び出願者が減少している酪農経営科の安定した入学者数確保のため、支援を継続します。
 
 青少年の健全育成については、目まぐるしく進歩する情報社会においても基本的生活習慣を身に付け、主体的にメディアを活用する「メディアリテラシー」の向上に取組むとともに「別海町いじめ防止に関する基本方針」に基づき、豊かな心の育成を目指します。
 また、芸術、文化振興のため、「ふるさと講座」や「郷土学習出前講座」などの充実を図るとともに、いつでも誰でも気軽にできるスポーツの普及に努めることで「町民皆スポーツ」の実現を目指します。

 交流事業では、友好都市間で組織する友好都市サミット協議会などで、他都市の特徴的な施策について情報交換し、当町の行政運営に生かすとともに、町民による地域間交流の活性化を図ります。

5 快適で安全なまち

 (仮称)生涯学習センター建設に向けて、平成27年度から取り組んでいる「矢臼別演習場周辺まちづくり構想」は基本構想、基本計画を基にした実施計画を策定しますが、引き続き多くの町民の皆様の参加をいただきながら、別海町らしい魅力あふれる計画を策定していきます。
 住宅対策については、「公営住宅等長寿命化計画」に基づく改修を順次実施するとともに、実態調査に基づく町内の「空家対策」や「耐震改修促進計画」の見直しによる既設住宅の耐震化など、良質な住宅ストックの形成に取り組みます。

 道路事業については、国の交付金事業等の積極的な活用と、町単独事業により、計画的な整備を進めます。
 また、上水道、下水道についても国の補助事業等を有効に活用し、耐震化や長寿命化といった施設整備を計画的に実施するとともに、下水道区域外の合併処理浄化槽の普及促進を図ります。

 コンソーシアムによる実証事業でスタートしたテレワーク推進事業は、平成28年度から移住定住促進協議会、通称「ほらり協議会」が事業を推進しています。
 テレワークという「地方への人の流れをつくる」新しい働き方のスタイルを、地域の活性化に大きく貢献する可能性を秘めたツールとして捉え、移住や起業を促進する事業として推進していきます。
 また、長距離高速無線網によるインターネット通信サービスは、利用者の増加や通信の大容量化より、さらなる通信環境の改善が必要となっています。
 町民により快適で安定的なインターネット利用環境を提供するために、無線通信機器を増設するなど、通信基盤の整備を進めます。

 防災対策は、自主防災組織育成事業を活用した防災活動支援のほか、これまで主に津波を想定して実施してきた訓練のほかに、活断層地震を想定した内陸部での災害対処訓練を実施して、防災意識の高揚を図ります。
 また、本町の海岸線では、低気圧による高潮などにより冠水被害が度々発生することから、防潮堤建設など海岸保全施設の早期整備に取り組むほか、潮位観測機器を整備し、迅速な情報の収集と伝達を可能とするよう取り組みます。

 近年は、生活様式の多様化に伴う悪質商法被害が社会的に問題化しており、本町においても消費者行政の取り組みとして、警察などの関係機関と連携し予防の啓発、活動に取組みます。

6 参画と協働でつくるまち

 町では「自治基本条例」や「協働の指針」を基本に、町民参加や情報開示を進めてきましたが、さらに実施手法の充実を図りながら、町民の意見が行政に反映されるよう取り組みます。
 また、個人や団体から寄附をいただく「ふるさと納税」は、これまで以上に別海町を愛し応援していただけるよう、広く制度内容の周知に努めます。

 職員研修については、開発局や北海道への研修派遣に加え、先駆的な取り組みを行なっている道内外の市町村の実態を学ぶ研修に職員を参加させ、研修先の職員やリーダーとの意見交換を通じ、今後の地域づくりや自治体運営に力を発揮できる人材の育成に努めます。

 高齢者の方や、認知症、障がい等により判断能力が十分でない方が、不利益や権利の侵害を受けることなく安心して生活できるよう、行政と関係機関が連携し成年後見制度の支援体制を整備します。
 また、障がいのある方に対する不当な差別的取り扱いなどの解消に向け、積極的に啓発活動に取り組むとともに、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し、共生できるまちづくりを推進します。

 北方領土問題については、昨年12月に日本で開催された日ロ首脳会談において、平和条約締結に向けた第一歩となる、共同経済活動に関する協議を開始することで合意しました。
 隣接地域である本町は、この共同経済活動に積極的に関与し、これまで取り組んできた返還運動も展開しながら、国や道を始めとした関係機関と連携し、北方領土対策を推進します。

 本町は、国内最大規模の矢臼別演習場と陸上自衛隊別海駐屯地を有しており、国の防衛施策の一助となる役割を担っています。
 また、自衛隊員には災害発生時の支援活動のほか、地域イベントなどにも積極的に参加、協力をいただいており、地域住民と親密な協力関係が醸成され、まちづくりに欠かせない存在となっています。
 今後も長年築かれてきた信頼関係を大切にするとともに、演習場周辺における騒音等の諸問題に関しても、早期解決に向けて関係省庁等へ積極的に働きかけます。

 本町の財政状況は、人口減少や少子高齢化、基幹産業である酪農・畜産業の後継者不足による離農の増加などにより、益々厳しさが増すと予想されますが、平成31年度から始まる第7次別海町総合計画に向けて、安定的かつ健全な財政基盤を確立し、持続可能な自治体経営を進めていかなければなりません。 

 公共施設等については、「公共施設等総合管理計画」に基づき、今後の財政負担の軽減及び平準化を図ることを目的として一元管理に向けた検討を行います。
 また、あらゆる情報から財源確保の可能性を探るとともに、「別海町債権管理条例」に基づき、債権の適切な回収に取り組み、町税等の自主財源確保に努めます。

 平成31年10月からの消費税10%への引上げに向けては、受益者負担の原則に基づき、引上げ分の転嫁が必要と判断される公共料金等について、適切な料金設定となるよう検討を行います。

V むすび

 全国的に見た直近の経済展望では、企業の生産活動は持ち直しが持続し、景気も緩やかに持ち直しの状況にあると言われる中、可処分所得の伸び悩みから、個人消費は低迷が長期化するとも見込まれています。
 また、米国の大統領選後において、新政権が示す保護主義的な貿易政策や、TPPについては、離脱とする大統領令に署名をしたものの、今後の二国間協議の行方なども不透明なままであり、これらが、いかに本町の行財政運営に影響を及ぼすこととなるか、推移を観察していく必要があります。

 到来する少子高齢化時代は、本町に限らず地域の産業や財政運営に大きな影響を及ぼすことは明らかです。
 そのような中で、住民と協働して子育て世代をしっかりと支え、健やかで充実した老後を過ごすための枠組みを整備し、人材育成や付加価値拡大などにより経済の成長を促していくことが、これからの行政には求められています。

 「笑顔あふれる豊かさ実感のまちべつかい」創造の集大成に向け、これまで本町の礎を築いてこられた、先人達の高い志と強い意志を引き継ぎ、町民の皆様と心を一つに、皆様の声を聞き、皆様の気持ちを第一に考え、その先頭に立って町政運営に当たってまいります。

 町議会議員及び町民の皆様には、平成29年度の町政運営に対するご理解とご協力を心からお願い申し上げ、行政執行方針といたします。


投稿:総務課


掲載日時:2017/03/09/(木)

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